システム開発での言葉(共同作業の難しさ)

1.はじめに

長年システム開発にSEとして携わり、他人に作業依頼し、自分の思っていることを100%伝えることの難しさ(不可能への挑戦である)を毎回実感する。

そのことへの面倒くささも感じてしまう方も多いのではないか?

日本人といえども、使用する言葉に対してニュアンスも違えば、仕事のやり方(自分なりのやりやすさ)も違うので、絶対的な方法論がないのだと思う。

仕事上のストレスの殆どは人間関係にあるといわれているので、その意味では中々大変な仕事なのかもしれない。

 

2.言葉のニュアンスの違いによる難しさ

日本人であれば、同じ日本語を話し、単語の意味は同じ様に理解すると思われるが、必ずしもそうではない。まずは伝える側がそのことを理解し、しっかりと丁寧に説明をしないとダメだ。が、しかし、話し過ぎてもある時点から後ろの話は意味がない(恐らく聞き手はあまり長いと聞いてくれない)から加減が難しい。

では、作業をやらせてみて、結果をレビューしてフィードバックする方法をとるのだが、そもそも、あまりに伝わってないと結果的に進捗遅れが発生し、スケジュール管理が崩壊するので、レビューとフィードバックのタイミングが次のポイントとなるのだが、そこで問題として立ちはだかるのが、仕事に対する姿勢の違いによるコミュニケーションロスである。

 

3.仕事に対する姿勢の違いによる難しさ

人の性格は、大きく「犬派と猫派」がいると聞いたことがあると思うが、仕事のやり方を見ると、本当にそうだと感じる。犬派の人には、こまめな進捗確認と都度の指示、猫派の人には、作業のゴールを初めに共有したら、やり方については口出しせず、進捗確認も結果だけを確認するスタンスで、相手から質問がなければ細かい指示は不要である。これを逆の方法で実施してしまうと、担当者にすごくストレスが掛かり、仕事云々よりも人間関係で大変な現場となってしまう。

また、犬派猫派の前に、開発者としての意識の違いからくる仕事に対する姿勢も変わってくる。開発という仕事に対し、自ら考え結論を導き出す人、量産体制の工場の様に、確立した手順に則り作業をし、あまり自ら結論を出したり判断したりすることをしない人。である。一概には言えないが、この後の話を簡単にするために、前者は猫派、後者は犬派とする。

この犬派・猫派を意識した言葉使いをしないと、まー上手く行かない。そもそも言葉とは、相手が同じ様に感じ取るとは限らない訳だが、そのことが顕著に思い知らされることになる。

 

4.まとめ

20年近くSEを続け、新しいプロジェクト、新しいメンバーで仕事をする度に、人間関係の難しさを実感してきたが、一つ言えることは、どんなに技術力の高いメンバーを集めても、それよりも人間関係を良好に保つことの方が最終的には良いチームとなり、良い仕事が残せるということだと感じている。

日々進捗を出し結果につなげることは必達であるが、人間関係についておざなりになってはいけない。各メンバーに合った言葉を使用し、作業以外の人間関係でストレスを感じるような事がないよう丁寧に対応することが大切なのだろう。

仕事に対するストレスを感じている社会人は多いと思う、常に新しいメンバーと仕事をすることが多い、このシステム開発のSE現場から、そういった問題を解決するスキルを発信し社会貢献ができれば素晴らしいと思う。もしかしたら適任なのではないかとも感じている。